2016年12月16日の日経新聞にこういった見出しの記事が掲載されたことをみなさんはご存知でしょうか?
「USJ、森岡毅執行役員が退任 復活の立役者」
この森岡氏こそ、一時期は赤字続きで経営危機とまで噂されたUSJを見事V字回復させ、今なお好調をキープするまでに成長させた立役者と言われています。
では、この森岡氏が行った改革をUSJ復活の歩みとして一緒に辿ってみましょう。
USJの出発そして失速
2001年にオープンしたUSJですが、すぐに期限切れ食品を提供していた問題が発覚したり、消防局に届けていた火薬量よりも多い火薬を使用していた問題が明るみになり、世間からは激しい批判を浴びました。
そしてオープンから4年後の2005年には経営難航に陥ります。
2007年に東証マザーズへ上場したものの、2年後の2009年には上場廃止となるほどその経営は危機的状況に陥っていました。
その翌年の2010年に盛岡氏が入社してから、USJ復活の歩みが始まります。
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森岡氏の立ち上げた3段のロケット
森岡氏は着任してすぐに、3段ロケット戦略を打ち立てます。
1段目のロケットは「ファミリー層の取り込み」です。
これまでの米国映画一辺倒のアトラクションや集客方法から脱却し、ハローキティやワンピース、モンスターハンターといった子どもに人気のアニメやゲームとコラボし、顧客ターゲットをはっきりとファミリー層に絞り、さらなるマーケットの開拓を図りました。
それが形になったのが「ユニバーサルワンダーランド」です。
そして、2段目のロケットとして打ち出したのが、2014年7月に450億円を投資し、導入した「ザ・ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」です。
このアトラクションは国内は勿論、近隣諸国からの外国人観光客の激増させる程の大ヒットアトラクションとなりました。
この年の入場者数は過去最高の1270万人を記録、翌年の2015年には外国人観光客が100万人を突破しました。
USJ > TDL
ハリーポッターのアトラクションで爆発的に国内外の観光客を増やすことに成功した翌年、世界テーマパークランキングで、あの東京ディズニーランドを抜いて世界4位にまで上り詰めました。(もちろん日本では1位です。)
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英雄去りし後のUSJ
森岡氏が構想した3段のロケットは「テーマパークの他拠点展開」でした。
これはUSJでの成功ノウハウをもって、沖縄へテーマパークを進出する計画です。
ただし、この計画はいまは「中止」となっているようです。
2015年に親会社が買収された影響で、投資予算の見直しなどが行われた影響などが噂されていますが、真相はまだ公表されていません。
一方で森岡氏は退社にあたり、こういったコメントを残しています。
「夢だった任天堂のエリアの仕込みが出来たので、辞めるにはいいタイミング」
またUSJのHPでも、
「最近では、トップダウンではなく、現場からも、集客できる新しいアイデアが次々と生まれてきて、新卒で入社した若手社員のプランが、かたちになり話題を集めている例もあります。」
と語っていらっしゃるので、これからも森岡氏の意思を継いだスタッフが、ますますUSJを盛り上げていってくれるのではないでしょうか?
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