先日、京都府京丹波町にある丹波ワインに行ってきました。
ワイナリーツアーでは、ワイナリーの見学やワインの試飲を楽しむことができます。
さらにその後は最高のロケーションでBBQランチも満喫してきました。
そのときのようすをくわしくお伝えします。
目次
- 1 ワイナリー見学の概要
- 2 当日のワイナリー見学の詳細
- 2.1 除梗破砕機でブドウの実と梗を分類
- 2.2 圧搾機で果汁を搾り出す
- 2.3 ワイナリーへ移動
- 2.4 丹波で栽培されているブドウ品種の多さ
- 2.5 丹波ワインの歴史
- 2.6 ワインの発酵タンク
- 2.7 瓶を洗うリンサー
- 2.8 ワインを瓶詰めする充填機
- 2.9 コルクを瓶に入れるコルク打栓機
- 2.10 キャップ式の栓をするためのキャッパーとパーツフィダー
- 2.11 瓶の外側を洗浄するボトルウォッシャー
- 2.12 目視確認する検びん
- 2.13 キャップシールのためのシールフィーダー機とキャップ収縮機
- 2.14 自動ラベル貼り付け機「ラベラー」
- 2.15 樽の熟成庫
- 2.16 スパークリングワイン用の充填ガス
- 2.17 ワイン畑へ
- 2.18 1年のサイクル
- 2.19 樹齢38年のネヘレスコール
- 3 ワインの試飲
- 4 BBQランチ
- 5 ワインショップ
- 6 丹波ワインへの行き方
- 7 ワイナリー見学やBBQランチをおえての感想
- 8 さいごに
ワイナリー見学の概要
丹波ワインを手軽に体験できるのが、工場見学やワイン試飲を楽しめる「ワイナリーツアー」です。
専任スタッフにより案内がされます。
開催されているのは、土日祝日だけ。時間は11時スタートと14時スタートの2回です。
所要時間は約50分。
料金は1人1,000円で、テイスティングできるワインの代金も含まれています。
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当日のワイナリー見学の詳細
まずはワインショップにて受付を済ませます。
この日はすでに予約で枠が埋まっていたので、予約をしておいたほうが安心だと思います。
ワインショップ内で待機しているとスタッフから名前を呼ばれます。
参加者たちが集合したら、いよいよワイナリーツアーのスタートです。
ブドウの収穫の一番忙しい時期が一段落したところらしく、箱が山積みになっていました。
除梗破砕機でブドウの実と梗を分類
一番はじめに案内されるのは除梗破砕機。
ブドウの房から梗(こう)を除き分離する機械です。
内部にカゴのようなものがありそれで分けているそうです。
日本酒や焼酎の機械は国産が多いらしいですが、ワインメーカーはこのような機械を輸入して使っていることがほとんどであるとのことです。
圧搾機で果汁を搾り出す
つづいて案内されたのが、除梗破砕機のすぐ左側に設置されている圧搾機です。
除梗破砕機で分けられたブドウの果実だけを入れて、ジュースやモロミを搾り出します。
内部に風船のようなものがあり、それが膨らむことで果実が圧縮され、下側に果汁がポタポタと落ちるそうです。
この日はそのようすが見れなくて残念でしたが、仕方ありません。
この風船が何度も伸縮を繰り返し、果実の皮はガチガチに固まります。
1回搾りはじめると、3~4時間は動いているそうです。
なお、これは白ワインの基本の手順のようで、赤ワインの場合は圧搾機に入れる前にタンクに入れて漬け込んで赤い色を出すとのこと。
黒ブドウは赤ワイン用、白ブドウは白ワイン用です。
たとえば巨峰は黒ブドウ、シャインマスカットは白ブドウに分類されます。
赤ワインに渋みがあるのが皮から出る渋みであることが多いというお話でした。
ロゼワインはいろいろな作り方があり、赤ワインより短く漬け込む方法もあれば、白ワインと赤ワインをブレンドをすることもあるそうです。
圧搾機の奥側には円柱型のタンクが横たわっています。
水がポタポタ落ちているのは冷却しているからとのこと。
タンクの中にはワインの果汁がありアルコール発酵中ですが、その際に二酸化炭素が出て、熱がタンク内に充満してくるそうです。
それによって海外では事故も起きていることもあるようですが、その温度上昇を抑制するために24時間、上部から水をタラタラと落として冷却しています。
タンクが横たわってるのは、ローラーでまわるようになっているためです。
絞り出された果汁には皮や固形成分があり、その重さで上下で色合いや味わいが変わることがあります。
それを防ぐために、このタンクがまわることによって撹拌させています。
セメントを運ぶローリー車のような役割となります。
これで、人が撹拌したり、タンクからタンクへの移す必要がありません。
土日でスタッフが休んでいても、タンクが撹拌してくれるので安心だそうです。
京丹波町は昼夜の寒暖差がとても大きく、10月でも朝晩は結構寒いそうです。
ブドウの成熟期は6~8月で重要な時期となりますが、京丹波の気候はブドウを成長するのに適しているとのこと。
標高は約200m、高くもなく低くもないそうです。
なおすぐ近くに太平洋と日本海の雨水の境界線となる分水嶺があり、京丹波町は日本海側すぐに位置するようです。
ワイナリーへ移動
つづいてワイナリーへ移動。
まずは丹波ワインの特徴について、いろいろ興味深いお話を聞くことができます。
丹波で栽培されているブドウ品種の多さ
丹波ワインで栽培されているブドウの品種がとても多いのが特徴です。
日本では、日本酒のメーカー・酒蔵は4~5000件あり、ワインメーカーは300件ほど(京都府では2件)あるらしいですが、この300件の中でも丹波ワインはトップクラスで栽培されている品種が多いとのこと。
シャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンなどのよく知られた品種にブレンドされる補助品種も積極的に栽培しているそうです。
ブドウは房になるまで3~5年かかるので、その適正を確かめるためにも多くの品種を栽培しているようで、いまは50品種ほど栽培しているということです。
土地に適しているのか分かるまで約8年かかるということですので、忍耐が必要な調査となります。
丹波ワインでは4種類のブドウ畑があり、すべてで6ヘクタールあります。
ほかにも貴腐ワインの説明を聞いたり、ブドウが苗木から育っていく過程を写真で見たりすることができます。
丹波ワインの歴史
丹波ワインの創業者はもともと電機メーカーをやっていたそうです。
海外出張時に手軽にワインを飲む文化に感銘を受け、それを日本で広めたいと考えました。
その結果、電機メーカーをやめワイン作りをはじめました。
日本酒の酒蔵を借りてのスタートだったそうです。
その酒蔵がやめる時にタンクをもらいうけ今にいたるとのことです。
丹波ワインについての話を聞いたあとは、いよいよワイナリーの細部に移っていきます。
ワインの発酵タンク
ワインを発酵させるタンクがいくつも置かれています。
緑色は琺瑯タンクで日本酒作り用のタンクで、上にシートがかぶっているのはワインが中に入ってお入り、ワインが発酵中です。
シルバーのタンクはワイン専用タンク。
上に栓があり圧力をかけることができます。
最近は日本酒作りで女性の杜氏が増えているようですが、丹波ワインでも2人の女性スタッフが担当しているとのこと。
「ワイナリー」とは響きはいいですが、実際はかなり重労働のようです。
業界では、ワイン作り7割、洗浄3割と言われているほど。
ワインの固形成分がタンク内にこびりつき、しっかり洗わないと次のワイン作りに影響が出るそうです。
実際にお仕事をしているところも見てみたいですね。
瓶を洗うリンサー
ワインを瓶に充填し製品化されるまでのラインも見せてもらえます。
まずは瓶を洗うリンサー。
ワインを瓶詰めする充填機
ワインを瓶詰めする充填機。
フルボトルなら1日7~8千本詰めることができるそうです。
ハーフボトルもこの同じ機械で充填できます。
コルクを瓶に入れるコルク打栓機
最近は、材料が少なくなってきたり、環境問題からコルク栓が少なくなっているそうですが、丹波ワインでコルク栓のワインも売っています。
キャップ式の栓をするためのキャッパーとパーツフィダー
キャップ式の栓をするためのキャッパーとパーツフィダーです。
ニュージランド、アメリカなどニューワールドと呼ばれる地域のワインは99%がキャップ式のワインになっているそうです。
瓶の外側を洗浄するボトルウォッシャー
前述のリンサーは瓶内部の洗浄ですが、ボトルウォッシャーは瓶外側の洗浄機械です。
目視確認する検びん
人の目でしっかり検びんがされます。
異物混入などがないかチェックされます。
とても疲れる仕事なので、20分交代でやっているそうです。
キャップシールのためのシールフィーダー機とキャップ収縮機
切り取り線のついたシールを熱によって収縮させてとりつけるまでをシールフィーダー機とキャップ収縮機で行います。
昔はロウを溶かしてワインに栓をすることもあったそうですが、最近は少なくなっているとのこと。
自動ラベル貼り付け機「ラベラー」
自動でラベルを貼るつけてくれる「ラベラー」です。
ヨーロッパ製だそうです。
ラベル記載事項については国のきまりがあるのでそれに従わなくてはいけません。
これで商品として完成です。
樽の熟成庫
丹波ワインでは熟成用の樽が130本ほどあります。
ほとんどが赤ワイン用。
短くて1年、長くて2年半くらい熟成するそうです。
熟成してから瓶詰めします。
ウイスキーは樽が多いが、ワインの場合は樽は使わずにそのまま瓶詰めすることもあるようです。
樽は消耗品のため4~5年で交換するそうです。
スパークリングワイン用の充填ガス
ワイナリーの中には泉産業のガスボンベが置かれていますが、これはスパークリング用の充填ガスです。
スパークリングワインの炭酸は以下の3つの方法で作られます。
- ガスボンベで意図的にガスを注入する
- 大きいタンクでアルコール発酵と同時に炭酸を発生させる
- 瓶の中で個別に1本1本炭酸を発生させる(シャンパーニュ製法)
ここでワイナリーの見学は終了です。
ワイナリーを出て畑の見学です。
ワイン畑へ
ワイナリーを出てすぐ目の前のワイン畑です。
4箇所ある畑で一番古く、広さは約1.4ヘクタール。
ここでも話を聞くことができ、さらにブドウを実際に食べることもできます。
1年のサイクル
葉っぱが黄色がっており、これから紅葉したり落葉したりするそうです。
落葉すると枝だけになり、12~1月には剪定によって枝を切ります。
おいしいワインのためにどの枝を残すのか一瞬で判断して剪定するとのこと。
4~5月に剪定した枝先から水滴が落ちるそうですが、これは冬場に地中から吸い上げた水分だそうです。
芽や実が出てくるのが6月頃。
8月下旬から9月にかけて収穫となります。
毎年は収穫体験もしていたものの、コロナの影響で休止中だそうです。
樹齢38年のネヘレスコール
見せてもらったのは樹齢38年のネヘレスコールという品種。
中東原産のブドウだそうです。
ただ樹齢38年というのは一番手前の木であり、地上から生えている幹の経が10cmほどあります。
その太さによって樹齢が分かるようです。
二列目、三列目の幹は細くなっており、それぞれ10年、15年という若い木ということでした。
ブドウはツル科でほうっておくとどんどん横に伸びます。
そのため人間が無理やりY時に整えているとのこと。
ぶどう園でよくみる天井にぶらさがり紙がかぶさっているのは棚仕立てというそうです。
一方、今回見せてもらった木は垣根仕立てというそうで、ヨーロッパスタイル。
ただ良し悪しがあるわけではなく、その場所の気候などによっても異なるようです。
スペインでは低い位置に丸い株のような形にして、下にかがんで収穫するんだとか。
ブドウはつまんで食べることができましたが、思った以上に甘かったです。
実が茶色っぽいほうが甘さがあるということでした。
ただ、ハチがかなり飛んできておりあまり近づくことができませんでした。
スズメバチもいるとのことで、スタッフの方は慣れているのか平気そうでしたが、われわれ一般人はこわかったです。
さて、これで見学は終了。
気分が盛り上がったところで、ショップのほうに戻ってワインの試飲です。
ワインの試飲
ショップ内に試飲エリアがありますので、そこでワインをテイスティングします。
試飲できるのはスパークリング、白、赤の3種類。
運転される人やお子さんにはブドウジュースなどが提供されます。
この日、試飲できたのは、
- スパークリングワイン(てぐみ白)
- 白ワイン(京都丹波ピノブラン)
- 赤ワイン(京都丹波タナ)
以上の3種類でした。
どれも雑味がなくスッキリしたおいしさでした。
試飲といってもそれぞれ50cc程度は入れてもらえるので3杯も飲めば結構気持ちよくなります。
この日はさらに貴腐ワインも提供してもらえました。
この甘さがたまらないですね。
スイーツがほしくなります。
飲み足りない方は追加でワインをオーダーできます。
原価を考えれば利益度外視の価格設定だと思うので、気になるワインがあればぜひ飲んでみてください。
50ccと100ccで価格が異なります。
また無料試飲ワインも用意されています。
無料試飲なので提供されるワインの量は少ないですが、ショップでワインを購入する際の参考になると思います。
なお有料試飲用のワインはランチBBQ時にオーダーすることができますし、無料試飲ワインは1杯300円で購入できます。
今回はランチBBQも追加で予約していたので、あらかじめ無料試飲用の赤ワインをここで購入しました。
この量で1杯300円ですので、かなりお得です。
そしてワイングラスを持ったまま外に移動。
BBQランチ
ショップから出てすぐにブドウ畑を一望できる屋外テントのヴィンヤードグリルがあり、そこでBBQランチです。
屋外であってもテントがあるので雨天でも安心です。
ブドウ畑を見ながらの食事なんてなかなかできるチャンスがないので、ワイナリーツアーとセットでぜひ楽しんでもらいたいです。
なお、予約は必須となっています。
こんな場所でワインが飲めるなんて最高じゃないですか。
炭火で焼いていく本格スタイルのBBQです。
今回オーダーしたのは「丹波グリルコース」というひとり3,000円のメニューです。
- 牛肉80g
- 豚肉80g
- 鶏肉80g
- 京丹波産地野菜
- ソーセージ
野菜もお肉も十分な量があります。
ショプで販売しているものを持ち込むこともできます。
この日は野菜ソーセージ(680円)を購入しました。
ワインについても、さきほどのワインショップで自由に追加オーダーできますし、ボトルワインを買ってそのまま持ち込みもできます。
持ち込み料は不要ですし、ワイングラスは新たに用意してもらえます。
飲みきれなかった場合は持ち帰りもできるので安心。
ただ無料試飲用また有料試飲用のグラスワインのコスパがあまりにも高いため、ボトルで買わないほうがお得だと思いました。
ワインショップ
ワイナリーツアーの受付場所でもあるワインショップです。
ワイナリーツアーやランチ以外のお客さんも入れ代わり立ち代わりで訪れていて、とても賑わっていました。
奥に見えるのがワイン試飲用ルームになります。
ワインの品揃えは充実しており、この日は今年できたての新酒もすでにありました。
ワイン以外の食品も豊富に揃っています。
BBQに持ち込んだ野菜ソーセージもこちらで購入しました。
アイスもあります。
人気の「ぶどうぽん酢」はBBQの時に用意されていたのですが、お肉にもぴったりでジューシーでとてもおいしかったです。
時期的にまさに旬の京丹波の黒豆枝豆も売られていました。
奥にはくつろぎのイートインスペースも用意されています。
ブドウ畑が眼前に広がる贅沢な空間です。
時間があればここでもゆっくりしたかったのですが、帰りのバスの時間もあったので次回来る時はぜひ利用したいと思います。
丹波ワインへの行き方
丹波ワインには駐車場が完備されているので、自家用車の場合は特に問題ないと思います。
というわけで、公共交通機関での行き方についてかんたんにご紹介します。
JR京都駅からの案内となります。
まずはJR京都駅からJR嵯峨野線で園部駅まで行きます。35分程度はかかると思います。
東口から出てJR西日本バスに乗ります。
バス停はすぐ分かると思います。
乗車時間は30分程度でしょうか。
丹波高原(たんばたかはら)停留所まで行きます。
普段は都市部で200円台で乗っているため、670円もかかったのでびっくりしました。
この停留所から丹波ワインまでは徒歩です。
余裕を持って15分程度はみておいたほういいと思います。
看板がありますのでそれを目印に。
のどかな風景を楽しみながらのんびり向かいましょう。
この自然がおいしいブドウとワインを生み出してくれてるわけですね。
余談になりますが、この日は黒枝豆の直売所が途中にありましたので、つい立ち寄ってしまいました。
この丹波まで来たなら買わない選択肢はありませんよね。
でも直売所だったので少し待たされました。
なので、時間に余裕がない場合は、注意が必要です。
丹波ワインのショップでも黒枝豆は売っている可能性がありますので、そこで購入したほうがいいかもしれません。
ワイナリー見学やBBQランチをおえての感想
ワイナリーツアーは、ワイナリーやブドウ畑の見学ができ、ワインもたっぷり試飲させてもらえます。
ワインについての基礎的な知識も教えてもらえます。
これで1,000円ならタダみたいなものではないでしょうか。
カップルでも家族連れでも十分楽しめるイベントになること間違いなしです。
ただせっかくならワイナリーが実際に稼働しているところや、ブドウ畑での収穫シーンなども見てみたかったです。
9月頃までならまた違った景色が見えるとのことなので、来年は収穫時期に合わせて行きたいと思います。
BBQランチも、ワイナリーツアー後に利用して大正解でした。
試飲用ワインを買って持ち込めるのもたいへん魅力です。
お肉や野菜の質、量ともも値段を考えると特に申し分ありませんでしたが、ソーセージが安っぽかったのが唯一のマイナス点。
ショップでおいしいソーセージが販売されてるので、それを入れてもらえたらほぼ完璧でした。
でも全体としてはとても満足できる1日でした。
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さいごに
ワインに興味ある人もない人も一度は行ってみてほしいのが、この丹波ワインのワイナリーツアーです。
ワインのための休日というのもありだと思います。
その日はワインのことだけ考える。
そしておいしいワインを好きなだけ飲む。
おすすめします。
公式サイト:https://www.tambawine.co.jp/
住所:京都府船井郡京丹波町豊田鳥居野96
電話:0771-82-2003